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「未来企業は共に夢を見る」を読んで:感想文

石塚しのぶさん(@s_ishizuka)の「未来企業は共に夢を見る」を読了しました。

手に取った背景でいうとちょっと長くなるのですが昨年あたりから
【健康経営】という概念に興味をもち、いろいろ本を探してみたり検索してみていたのですけれど、結局あまり情報を見つけることができませんでした。

「健康経営」とは、米国の経営心理学者のロバート・ローゼンが提唱した概念で、企業の持続的成長を図る観点から従業員の健康に配慮した経営手法のことです。
従業員の健康が企業および社会に不可欠な資本であることを認識し、従業員への健康情報の提供や健康投資を促すしくみを構築することで、生産性の低下を防ぎ、医療費を抑えて、企業の収益性向上を目指す取り組みを指します。

---日本の人事部より------

健康管理を経営の軸足に置くという事は、組織がなにを大切にするのか、という幾つかかある価値観のひとつだよね、と思いつきましました。

”健康については自己管理” ”健康管理も仕事のうち”とはよく聞く話ですが、激務しながらその突き放し方はないだろうということで、健康診断だとか保養所だとかの福利厚生を充実させていたり。最近で言うとフィジカルマネジメントの一環としてオフィスのデスク環境整備や体を使う職種(立ち仕事)について腰痛マネジメントなども導入されつつあるようです。

と、この辺の実情はひとまず留めておき、その時点で思っていたのが、行動が産み出される時にはかならず背景がある。背景は思念から産まれ、思念は思想から産まれると辿って行くと、結局理念経営とはなんだろう、と改めて考えるようになったのです。(長い前置きだ)

企業理念やビジョンが大切

このことはよく言われる話ですよね。 このブログでも何回となく書いてみましたけど。 採用のお手伝いをさせて頂いた時には 必ず企業理念はチェックするものです。 事業戦略が理念と紐づいているのかという確認は行うものです。 (誠実、信頼、心とかだと物凄く困る)
 
かつて人事部門からも 「わが社の企業理念に共感してくれる人を採用したい」 と言われる機会は多くありました。 (結局スキルベースで採用して失敗するのですが) キーワードが頭に残っていると情報をキャッチするアンテナが働くものです その時に河野さんの 「未来企業は共に夢を見る」を読みました というエントリーを読んだのです。
 
で、書評を機に同書を読み始めました。 背景説明が相変わらず長いのはごめんなさい。 「ザッポスの奇跡」を執筆された石塚しのぶさんの本です。 [amazonjs asin="4331515052" locale="JP" title="ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~"]

本題の書評というか感想文

同書を読了してまず感じたのは ”自分の経験に照らし合わせながら読むことができた”という事。 自分の経験と照らし合わせながら 読書体験ができるというのはそうそうあるものじゃないです。 回想しながらほんの少しセンチメンタルな気分と 悔恨の情に駆られつつ読めました。

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「らしさ」を意図して戦略的に構築し戦術にまで落とし込む
言葉でいうのは案外簡単で、ビジョンやミッションと置き換えてもいいですが、言語化はよくみんなやっています。 例えばスタートアップの際、ベンチャーキャピタルから資金調達をする際のプレゼンテーションなどでは こうした部分もかなり突っ込んでヒアリングされます。
 
言語化した内容を継続した仕組みとして、社内に定着させていくことや考えを反映させたサービスや制度をつくることはとても難しいものです。制度にした瞬間に、今後はそれに縛られて自由性を失うという循環も起きます。
 
そうか、といって再び変化させようとすると抵抗が起きるのも常。ましてや組織がもつ思想を反映した採用を徹底したり 顧客サポートを行うことはとても難しいもの。 一部分ではできるかもしれないけれど、全社レベルでとなるととても大変ですよね。特にもう大手企業といわれる規模になるとなかなか難しいでしょうね。 既に固まったルールがあるわけですから気分で動く中小企業やベンチャー企業の方が こうした経営手法を選択しやすいはずです。
 
反対にこうした運命共同体みたいな経営体制や、全員参加型企業を拒絶する人もいます。自分に責任が落ちてきちゃうわけですから、それを好まない人にとってはとても息苦しい環境な訳です。なにかを決めるときにボトムアップ型ではなくて トップダウン型の方がやり易い面もあります。
 
全員参加型企業というのは聞こえはいいですが、自律型であり自立型人材を求めるものです
でもそれが全てかというとそうじゃないですよね。結局のところ経営手法というのは多様性があっていいと思いますし これが絶対という答えはないのです。

コア・バリュー経営

アレもいいし、コレもあるよね。ソレもありだよね、というとどっちつかずになるのですが ぼくは単純にこの書籍で描かれているような コア・バリュー経営が是か非かではなく好きです。
 
コア・バリューがあるからこそ、ミッションステートメントが描けますし 統一(共感)された価値観のもと、様々なサービスを矛盾なく提供することが出来る訳でこれができていないと ”担当者によって言っていることが違う” だとか
”経営陣がいうこととスタッフのいうことが違う” という状況になっていくと思っています。矛盾は必ず起きるものですが、それを埋めていくのが日々の仕事であり 戻るべきポイントがコアだろうなと思うのです。
 
採用現場なんかみているととくにそういう場面に出くわします。 人事部が説明した事と、現場で面接して言われること、 或いは入社して配属されて言われることがまったく違うとかというのは案外多いものです。 あれ、感想しか書いていないですね。
 
えっと、同書ではコア・バリュー経営を実践している企業に取材された内容を簡潔に非常に読みやすくまとめてあります。その上で採用ステップや社内制度の在り方、顧客との接し方などについて書かれていますので、抽象的な概念だけではなく 実例として読み進めていくといいと思います。
 
人事制度や社風の話で言うとユニークな制度という側面ばかりがフォーカスされて 面白おかしく取り上げられることが多いのですが
[su_note note_color="#f6f6f6"]”方法論”ばかり真似てもダメで ”何を共有したいのか”というコアがなければだめ[/su_note]
です。
 
その上で ”どうやって共有するのか” という経営手法はいろいろあってしかるべきでしょうし ”どう伝えるのか” という仕組みづくりを継続していくことが大切ですよね。 もっと突き詰めていうと ”何を共有したいのか” を明らかにするには ”自分との対峙” が必須要件なのです。 そう、自分で自分を知らなきゃ価値観はアウトプットできないものです。


と思っていますし、だから毎日自問自答な訳です。
そんなに堅苦しいものじゃないですけども。


これはぼくの兄ともいうべき人が言っていた言葉。

そうそう、自分が営業を行っていた中で1社、こうした理念浸透型経営を徹底している会社がありました。宗教的、と批判されていることもありましたが。
 

「自らの考えを徹底し共感する人と事業を推進する」

選択をした時点で、批判は必ず起きるものです。ぼくはそれに耐えることがあまりできなかったなぁと思います。批判されるとものすごく凹むんですよね、ありえないくらい。割り切ることができないというか、そんなに強くないなと思いました。

この辺りが同書を読みながら
[su_note note_color="#f6f6f6"]自分の経験と照らし合わせながら読書体験ができた[/su_note]
という思いにつながっていくファクターなんだな。

だから継続した組織をつくっている人はとても尊敬します。世の中を変えていこうとか、考えを大きく広めていこうとされる方はとてもすごいなと思う訳です。

タイトルからすると憧れをもったりユニークネスな制度の紹介の本なのかな、と思いそうですが「何かを成し遂げるには地道な継続力以外にありえない」ということも改めて思います。そういっちゃうと身も蓋もありませんが。

学生さんとか中途で転職される方は、仕事内容も重要ですけれど企業の経営に関する考え方なんかも調べて自分にフィットする会社を選ぶなり、自分で作ってしまうなりの選択をすればいいんじゃないかなと思いますね。選択肢が多いことはいいことです。迷うことの連続が人生だと思いますよ。