最近自分で勝手に「経営上の悩みの75%は売上をどうあげるか」と決めつけて(仮説ともいう) その75%の悩みを少しは減らしていく方法を考えてみよう と決めたので毎日ゴチャゴチャ書き出してみています。
情報を分類し仮説をたてる:PDCAの前に
前回のエントリーに引き続き”自分の仕事のやり方を洗い出してみようシリーズ”です。
前回:データを情報にする:PDCAの前に
→ 1.現状の把握と分析
今回は
[su_note note_color="#f3f3f3" text_color="#000000" radius="0"]
[/su_note]
について書いてみたいと思います。
仮説を立てるための情報
仮説を立てるためにはある程度の情報が必要になります。そして情報を得るにはデータから情報にする行動とミーティングなどのコミュニケーションにより情報を得る行動の2種類が必要だということは前回書きました。その次の材料として資産を洗い出すことが後の仮説(シナリオ)を書くときに役立つと思います。
会社が持っている定性的なノウハウ資産の洗い出し
大手コンサルティング会社の方々であればきちんと教育を受けていたり、テンプレートなどをお持ちでしょうから少々お恥ずかしいのですが以下は自分の資産の洗い出し方です。
例えば”営業上のノウハウをコンテンツ化できないか”という課題がある場合
[su_list]1.既存顧客からよく頂いている質問に対する回答
2.新規営業の際に必ず説明している項目
3.新規営業の際によく頂く質問とその回答
4.納品後によく頂く質問とその回答
5.定期的に行っているフォロー活動の具体的な内容
6.商品(サービス)を利用することで解決できる課題
7.商品(サービス)を利用することで提供できる価値
8.同業他社(類似商品)との差別化ポイント
9.自社が属している業界のニュースや情報
[/su_list]
といった顕在化している行動のなかで社内外で共有化されていないポイントをまずは箇条書きで書き出していくことを行います。
すると自分たちでは強みと考えていなかったものが実は強みであったり、開示していないけれど顧客からのニーズは高いものなどが発見されます。
またデータが情報化できていないようなケースであれば
[su_list icon="icon: angle-double-right"]
[/su_list]
といった項目を書き出していきます。ここでは解決すべきボトルネックを書き出していることになります。
いずれにしても会社が要求しているニーズとデータ収集の段階で気づいた項目について箇条書きを行います。
IN/OUTの形式を想定する
その次はその項目をどういう形式でリリースするのかを書き出します。先ほどの項目がExcelで表現すると行にあたりますのでこの項目は列で記入します。
例えばアウトプット形式の項目例は
[su_note note_color="#f3f3f3" text_color="#000000" radius="0"]ウェブサイト、メールマガジン、営業資料、動画制作、ソーシャルメディア、ブログ[/su_note]
インプットに関する項目は
[su_note note_color="#f3f3f3" text_color="#000000" radius="0"]エクセル管理、システム導入、業務フロー改善、データ遷移図作成、データベース[/su_note]
といった具合に想定できる項目を設定し
◎とか△とか×などそのデータにとって向き不向き(或いはやるべき軸)でマークを行います。
影響を与える領域を明示する
また同じく列でその項目が与える影響を設定します。列項目としては【売上増加】【利益増加】【利益改善】【情報管理】【経営管理】【人材開発】などなど予め設定しておき、その作業がどの領域にインパクトを与えるのかを見えやすくします。
※箇条書きがあまりにも多いようならExcelでシートで分類します。
人的、組織的な情報の所属場所を確認する
更にその情報ソース(ノウハウ)について
[su_note note_color="#f3f3f3" text_color="#000000" radius="0"]
[/su_note]
などを同じように列で項目を追加し書き込んでいきます。(誰,事業部,部署などで項目をセットしておくと楽です。)
できる、できないはひとまず後送り
この時点では社内政治的に難しい・難しくない、或いはコスト面についてはまだ考慮をしないでもいいと思っています。なぜならまだアイディア出しの段階ですので否定的な要素は抜きにして書き出し整理・分類することを優先にした方がいいと思っているからです。
次のステップへの踊り場に到達
こうした作業が分析から仮説を想起するということであり、数字情報以外の資産の洗い出しです。
[su_note note_color="#f3f3f3" text_color="#000000" radius="0"]
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を【ツール、影響を与える領域、人、組織】などの項目と合わせて整理します。そしてうまく行けばこの段階で
[su_highlight background="#f3ee33"]顧客獲得のための仕組みや必要なこと[/su_highlight]
が見え始めてきたりします。実際には経営陣とやり取りをしながらこうした作業を進めていくことになります。
社内的な制約があるものを別項目にする
書き出しが終了した時点で物理的に或いは社内制約の関係で、実現不可能と思われるものについてのみ優先順位を下げます。ある程度という、しきい値は自分たちの感覚で把握できると思います。(下げ方は列の下位に別枠を設定して移動させるだけです。)
この時点で仮説が浮かび始めている
ここまで来ると属人的なノウハウを共有化する仕組みや会社がもつ資産の洗い出し。それらをアウトプットする仕組み。データとして散らばっていたものを情報化する流れ。資産をアウトプット化することに対するメリット
などが見え始めてきます。こうした作業を行うと
[su_note note_color="#f3f3f3" text_color="#000000" radius="0"]
[/su_note]
などというマーケティングや経営管理といった観点からのアイディアが周囲にも浮かび始めてきています。仮説立案はこの洗い出しを行う中で立てられているものです。
アウトプットするもの=コンテンツ
洗い出しをしながら仮説は組み立てられていくものです。また仮説を頭に浮かべていると課題が並べられていくものです。
データを情報化するためにはインプットの仕組みが必要です。
その情報を知識化して開示していくにはアウトプットを行うための仕組みが必要になります。そこを考えていくと
”この仕組みを導入したら業務がどう変わるか”
”このアウトプットを行うと何が変わるか”といった
こうした成長へのストーリーが頭の中に浮かんできます。勿論現実は想定したストーリー通りにはなかなか進みませんが、この段階ではまだ企画を行っていく状況ですのでそれで良いのです。そしてこのあとは優先順位付けを行っていく作業に入っていきます。
こうしてまとめてみると
ここまでの作業を振り返ってみるとマーケティングで行われる実務に非常に似ていると思いませんか?
あるいはアクセス解析を行う際にデータを収集し分析している過程にも近しいような印象を受けます。
それは両者ともに目標は
”企業の収益にどう貢献するか”
という1点にフォーカスしているからではないかと思います。
この点にフォーカスするといきおい経営的な視点や知識が要求されるようになると思うのです。
参照:大手企業じゃないからこそマーケティングに取り組もう
参照:ストーリー構築とデータ分析をどうやるかも課題
仮説を立てるには目標が必要になります。
目標を立てるには現状の数字や経営状況といった事柄を理解している方が、その方向性を一致させることをより容易にすることになります。そして理解をするためには
ということを様々なことをマルチタスクで推進しながら、同時に学んでいくことが自分には要求されるものであり、一見関係ない分野の様でも学び血肉としていくことが、最終的には”急がば回れ”になるのかなと感じています。
余談ですがこうしたことを経験あるいは見聞し、場数を踏むことで
[su_note note_color="#f3f3f3" text_color="#000000" radius="0"]
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という風に視野が広がっていくのかなと思います。目に見えることが全てじゃなくて、その背景があっての現実だという事でしょうか。
それでは、次回は4.取り組むべき優先順位付けについて書いていきます。